旧式のシステムを一新

2008年の終わり頃、TOSHIBAの経営陣は、現行の業務用CRMソリューションでは期待する成果を生み出せていないと頭を悩ましていました。TOSHIBAのコンタクト・センターで利用されていた旧式のオペレーター用アプリケーションは、メンテナンスに高いコストがかかっていました。ちょっとした変更を加えるだけで非常に多くの手間と時間を費やしていたため、TOSHIBAでは日々変化する市場への対応が遅れていました。そこでTOSHIBAは、コスト効率に優れたクラウドベースのコンタクト・センター用ソリューションに投資を行い、ビジネスの活性化と、顧客中心主義の企業としての巻き返しを目指したのです。

「旧式のシステムはまったく柔軟ではありません」と説明するのは、TOSHIBAコール・センター運営ディレクターのロンダ・ワトキンズ氏。「変更を行うには、いくつものステップを踏む必要があり、数か月かかることもありました。システムを社内でコントロールできないため、変更を行うたびに遅延とコストが発生し、ビジネスへの流動性と即応性を維持できなくなっていました」

製品や保証、お客様の連絡先、部品や修理サービスなど、用途に応じて複数のデータベースを保持していたため、TOSHIBAのオペレーターは、お客様からの問い合わせに応えるための適切な情報をなかなか見つけられませんでした。その結果、オペレーターの不満が上がり、離職率が高まりました。離職率が高くなったため、新人のトレーニングに費やす時間とコストが増えました。

RightNowとTeleperformance社が選ばれた理由

旧式のシステムに替わるシステムを見つけるために、TOSHIBAはCRMソリューションのプロバイダー5社に対して、非常に細かい要望までを記載したRFPを提出しました。「各社に厳しいテストを受けてもらいました。選考プロセスは1年にも及びました」とワトキンズ氏は語ります。選考期間中、TOSHIBAでは社内システムの構築も視野に入れていました。「RFPと価格の分析結果を経営陣に示したところ、満場一致でTeleperformance社が提供するRightNow SaaSソリューションが選ばれました」とワトキンズ氏は付け加えます。TOSHIBAはRightNowのクラウド・プラットフォームが簡単に構成、統合できるよう設計されている点に注目しました。ごくわずかな変更にもコーディングや新しいリリースを必要とする旧式の業務用システムとは大違いでした。RightNowと、コンタクト・センター委託業務のトップ・プロバイダーであるTeleperformance社のパートナーシップにより、RightNowソリューションの信頼性がさらに高まりました。

「私たちがRightNowを選んだのは、社内でコントロールできるクラウドベースのソリューションを、適正な価格で提供していたからです」とワトキンズ氏。「RightNowのソリューションで気に入っていることの1つは、外観や操作を私たち自身が管理できることです。画面構成を簡単に変更でき、オペレーターのスクリプトや業務上のルールの実装も時間のかかる変更プロセスなしで行えます。これまで何か月もかかっていたことが今では数分で終わるので、本来の業務に集中できるようになりました」

また、TOSHIBAがソリューションを選定してから実装を完了するまでの期間は非常に限られていましたが、RightNowは、4か所(フィリピンに2か所、メキシコに1か所、米国に1か所)に分散したコール・センター・ベンダー2社に加え、TOSHIBAのサービス・パートナー数社と協力し、新しいシステムへの移行をわずか4か月で完了しました。

「今では、旧式のシステムを使っていたときと比べて、はるかに速く、はるかに少ないコストで、ビジネスニーズに応えることができます」

―Toshiba America Information Systems, Inc.デジタル製品部門、コール・センター運営ディレクター、ロンダ・ワトキンズ氏

目標

  • 柔軟性がなく、コストのかかる旧式のコンタクト・センター用システムを他のシステムと置き換えることで、運用コストを抑え、サポートの効率を上げる
  • 予測不可能なビジネス要件により迅速に対応する
  • オペレーターの満足度を向上させつつ、トレーニングにかかる時間も短縮する
  • オペレーターに的確で一貫性のある情報を提供することで、卓越したカスタマー・エクスペリエンスを実現する

成果

  • 問い合わせ処理にかかる平均時間を40秒短縮
  • システムを社内でコントロールすることで変更を高速化
  • オペレーターの満足度の向上
  • 4か月でTeleperformance社とRightNowの実装を完了
  • 5か月でTeleperformance社とRightNowソリューションの採算を取る

TOSHIBAでは、テクニカル・サポートやカスタマー・エスカレーション管理部門において、600名以上のコンタクト・センターのオペレーターがお客様からの問い合わせ対応にRightNowのエージェント・デスクトップを利用しています。エージェント・デスクトップを使えば、お客様が所有しているTOSHIBA製品の型番やシリアル番号に基づいて、データベース内でそのお客様の情報を見つけることができます。TOSHIBAのコンタクト・センターにお客様から問い合わせの電話がかかると、まず製品情報に関する画面が表示されます。システムは、たとえば、製品が保証期間内にあるか、保証期間が切れているか即座に画面に表示します。

発生している問題についてお客様から説明を受けたら、TOSHIBAのオペレーターはRightNowデスクトップ内で問題のカテゴリーを選択します。RightNowデスクトップでは、オペレーターの問題解決をガイドするワークフローとコール・スクリプトが開始され、特定のコンプライアンス・プロセスも実施されます。ワークフローとコール・スクリプトを利用することで、オペレーターはお客様からの初回のお問い合わせに的確で一貫性のある情報を提供できます。「お客様から寄せられる問題の8割は定型の解決方法によって解決できるので、オペレーターはスクリプトを使うことで状況に応じて的確な回答をすることができます」とワトキンズ氏は言います。

残りの2割の場合は、RightNowガイド・アシスタントが、トラブルシューティングのための追加の質問をオペレーターに提示し、オペレーターを問題解決へと導きます。TOSHIBAには、何百ものオペレーター向けのスクリプトとガイドがあり、オペレーターからのフィードバックに基づいてさらに増え続けています。

RightNowのエージェント・デスクトップ内でオペレーターが会社のナレッジにアクセスできるということは、テクニカル・サポートのオペレーターにとっては市場に出る前の最新テクノロジーに詳しくなる機会であり、大きなメリットがあります。オペレーターはこのようにナレッジに触れ、Webサイトに公開するFAQなどのナレッジベースを構築しているのです。

TOSHIBAの平均問い合わせ件数は閑散期で月に約200,000件、新学期やクリスマスなどの繁忙期には月に270,000件にも上ります。「オペレーターはさまざまな製品に関するさまざまな問い合わせを受けます」とワトキンズ氏。「RightNowのワークフロー、コール・スクリプト、ガイド・アシスタントといった機能により、オペレーターはお客様からの質問に回答するための的確な情報を入手できます。このことがオペレーターの満足度を大きく向上させました」

実際、RightNowの実装から1か月後にTOSHIBAが実施したアンケートによると、600名以上のコール・センターのオペレーターが新しいソリューションを高評価しています。アンケートでは極めて好意的なコメントが寄せられ、大多数がTeleperformance社とRightNowのシステムを受け入れていました。アンケートの回答で多かったのは、RightNowのソリューションは「使いやすく操作しやすい」、「反応が速い」、「合理的」、「直感的」といったものでした。

メリットを活用

RightNowのPCI対応という特長を生かし、TOSHIBAはテクニカル・サポート中にクレジットカード情報を取得できるようになりました。TOSHIBAのお客様は、別の電話番号にかけ直したり、クレジットカード情報を口頭などで提供したりせずに、必要なサポートを受けることができるので個人情報が保護されます。

さらに、Teleperformance社 CCoD CTI Media BarによってRightNowをGenesys電話スイッチに組み込めるので、エージェント・デスクトップ内で通話のコントロールや画面ポップアップが可能になります。

「多くの移行プロジェクトに言えることですが、オペレーターが操作を習得し、新しいCRM環境に適応するまでの期間、パフォーマンス指標に低下が見られると想定していました」とワトキンズ氏は説明します。しかし驚いたことに、指標への大きな影響は見られず、それどころか、TOSHIBAは4か月でAHT(Average Handle Time:平均処理時間)を40秒短縮することに成功しました。「これは正にTeleperformance社とRightNowのシステムのおかげです」とワトキンズ氏は付け加えます。

オペレーターの満足度向上とAHTの減少に加え、Teleperformance社とRightNowのソリューションへの投資は、わずか5か月で採算を取ることができました。

今後の展望

TOSHIBAの今後の焦点は、初回問い合わせ時の問題解決の促進、ネットプロモータースコア(NPA)とCSATスコアの向上、Webセルフサービスの構築に向けられています。「問い合わせ件数を効果的に削減するため、Webセルフサービスはコール・センターと密接に結び付ける必要があります。チャットにも注目し、RightNowのチャット機能を活用しようと模索しています」とワトキンズ氏。

TOSHIBAは将来的に新しいチャネルにも取り組もうとしています。「現在ますます勢いを増している領域はソーシャルです。私たちはソーシャルメディアを理解し、うまく利用する必要があります」とワトキンズ氏は言います。「最終的には、RightNowのすべてのツールを活用したいと思っています」

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